【重要文化財】安楽寺前開山樵谷惟仙和尚像

惟仙は、樵谷と号した禅僧で、木曽源氏の出自といわれている。鎌倉時代の中期、宋に渡って修学し、寛元4年(1246、鎌倉時代)鎌倉建長寺開山蘭渓道隆と同船帰朝して後、安楽寺を開いた人である。この像は胎内墨書銘により、没後数10年を経たと思われる鎌倉時代末期の嘉暦4年(1329、鎌倉時代)に造られたことが知られる。作者は大工の兵部という人である。髪をそり、頭をまるめ、微笑をたたえる表情は、いかにも写実的で時代の好みがうかがわれる。肩を豊かに張り、どっしりと安定した容姿は、惟仙生前の面影をよく伝えるものである。

伝ふらく求道入宋の開基像 木曽の源氏の族なりという  = 空穂 =